工務店やリフォーム会社が集客数アップ・売上アップする方法
昨今、売上ダウンに苦しんでいる工務店やリフォーム会社が少なくないようです。御社も「競合が多くて、お客さまを奪われている」とか「見込客が少なく、契約数が増えない」と悩んでいませんか?
そんなときは、一度「売上」について見つめ直し、何をすべきか考えてみませんか。売上を「客数」と「客単価」に分解することで、売上アップに貢献する施策が見えてきますよ。
本稿では、工務店やリフォーム会社が売上アップする方法をご紹介します。あなたも一緒に考察してみませんか。御社のボトルネックを見つけて、適切な施策を打ちましょう。
工務店やリフォーム会社が売上アップするために必要な要素
さて、売上を上げるには、どこに注力すればいいのでしょうか。それを明確にするために、まずは売上を分解してみましょう。漠然としていた「売上」の仕組みが見えてきますよ。
売上は「客数×客単価」でできている
売上は「客数×客単価」で計算できます。つまり、売上は「客数」と「客単価」でつくられていて、このふたつが増減することで売上も増減するのです。
では、客数を増減させる要因は何でしょうか? ――「新規顧客」と「流出顧客」ですね。
- 新規顧客:購入・契約してくださったお客さま
- 流出顧客:他社に乗り換えたお客さま
一方、客単価の増減要因は「購買回数」と「1回あたりの購買金額」です。さらに、1回あたりの購買金額は「購買商品点数」と「購買単価」が増減要因になります。
ここまでを整理すると、売上の増減に関わる要素は「新規顧客、流出顧客」それから「購買回数、購買商品点数、購買単価」ということになります。
ちなみに、一般的に客数は新規獲得より流出を防止するほうが簡単です。しかし、住宅業界はやや特殊で、リピートが少ないでしょう。ですから、新規顧客の獲得も非常に重要な施策になります。
売上を増やす5つの方法
さて、売上の増減要因をピックアップできました。この要因をもとに「売上を増やす方法」を考えると、次の5つが思い浮かびませんか。
- 新規顧客を増やす
- 流出顧客を減らす
- 購買頻度を上げる
- 購買点数を増やす
- 購買単価を上げる
このどれかに直接あるいは間接的に影響する施策以外は、売上に寄与しません。売上に寄与しない営業活動は、効率化やコストカットの対象と言えます。
各項目について、もう少し詳しく考察してみましょう。御社がこれからやろうとしている施策がどれに該当するか、じっくり考えてみてください。
新規顧客を増やす
先述のとおり、工務店やリフォーム会社はやや特殊です。購買単価が高く、購買頻度が少ないところが特徴で、新規顧客を増やすことに注力する必要があります。
新規顧客を増やす方法については、非常に重要ですので、次の章で詳しくご紹介しましょう。
流出顧客を減らす
「流出」とは、御社の商品やサービスを利用していた顧客が、他社の商品やサービスに乗り換えたり利用をやめたりすることです。たとえば、御社のお施主さまが他社にリフォームを依頼されるケースが該当するでしょう。
ちなみに、大手ハウスメーカーは流出防止施策として以下を活用しています。
- クローズド工法:他社が触りにくいようにしている
- 長期保証:他社が改修した場合、保証を打ち切られる
町の工務店やリフォーム会社なら、流出防止のためにこんなことができるのではないでしょうか。
- 設備やリフォームの最新情報を提供する
- 住宅設備のメンテナンスや延長保証を提供する
- お施主さま同士の交流を促進するコミュニティづくり
このような施策を実行すると、お施主さまが御社に愛着(ブランドロイヤリティ)を持ってくれますので、流出の抑制につながるでしょう。
購買頻度を上げる
さて、リピート受注の機会を増やすには、どうすればいいでしょうか。王道は、この流れでしょう。
- お施主さまとのコミュニケーションを密にする
- コミュニケーションの中から、悩みごとを拾う
- 悩みごとを解決する方法を提案する
また、お施主さま自らのご発注だけでなく、何度もお知り合いを紹介していただくことも、ある意味では「購買頻度を上げる」施策と言えるでしょう。
しかし、ご紹介をいただくハードルは低くありませんよね。どうすれば、そのハードルを下げられるのでしょうか。
まず、日頃からお施主さまと丁寧かつ頻繁にコミュニケーションを取ることが大切です。人の脳は、接触頻度が高い相手に対して親近感や仲間意識を感じます (単純接触効果)。
ですから、以下のアフターメンテナンスの強化施策は、売上アップに貢献します。
- 担当者の育成(専門知識や礼儀作法など)
- ICTツールの導入(いつでも簡単に相談できるチャットツールなど)
さらに、以下の観点から品質管理も徹底すべきでしょう。
- 新築やリフォームに満足すると、人に自慢したくなる
- 欠陥やトラブルがあると、リピートや紹介のチャンスがついえる
紹介してくださったお施主さまには、ちゃんと感謝やお礼をすることも忘れないでください。紹介受注に貢献したメンテナンス担当者にも、報償があるといいかもしれません。
購買点数を増やす
住宅業界における「購買点数を増やす」とは、どんなことを指すのでしょうか。―― たとえば、新築やリフォームのときに、多くのオプションを採用してもらうことが該当するでしょう。
いつでも、話題の設備や便利アイテムを供給できるように準備しておき、オプション割引キャンペーンを実施してみてはいかがでしょうか。
話題の設備や便利アイテムの「施工事例」や「利用者の声」を用意しておくと、セールスするより採用していただける可能性が高まります。なぜなら、人は第三者の評判のほうが「信頼性が高い」と感じるからです (ウィンザー効果)。
購買単価を上げる
購買単価を上げるには、どんな施策が有効でしょうか。―― たとえば、品質や性能の向上が購買単価アップに寄与するのではないでしょうか。
最新技術を取り入れるのも、購買単価アップに役立ちます。時流を考慮すると、今より耐震性を向上できる施工方法や、省エネ性をアップできる施工方法を模索してみるといいかもしれません。
造作家具や造作設備など、オーダーメードを提案するのもいいでしょう。お施主さまに合うオリジナル商品を提供できますので、それが付加価値となって契約金額のアップに貢献してくれるでしょう。
工務店やリフォーム会社が「新規顧客」を増やす方法
それでは、新規顧客の集客経路を考えてみましょう。主な経路を6つご紹介します。いろいろ挑戦してみて、自社のリソースや顧客層にあったものを見つけ、それを極めていただくとよいでしょう。
オフライン広告・アナログ広告
オフライン広告とは、インターネットを介さない広告のことです。
オフライン広告には、デジタルのものとアナログのものがあります。デジタルなものの代表はテレビやラジオ、デジタルサイネージではないでしょうか。
一方、アナログ広告は、昔から一般的に活用されている紙媒体をはじめとした広告が該当するでしょう。例をあげてみます。
- チラシ
- 新聞広告・交通広告
- 看板
- 現場の懸垂幕
- 専門雑誌
- タウン誌
- フリーペーパー
オフライン広告は、オンライン広告では接触しづらい人たちにリーチできます。露出させるエリアをある程度限定できることや、視覚や聴覚的にインパクトがあるところも、長所と言えます。
勉強会・セミナー・ワークショップ
新築やリフォームは難解です。ですから、新築やリフォームを検討している方は、たくさんの疑問や不安を抱えています。それを解決してあげる勉強会やセミナーは需要があり、有効な集客手段になるでしょう。
また、新築やリフォームの検討者に有益な情報を提供することで、信頼関係を築くこともできます。顧客のニーズを直接聞くこともできますので、接客や品質の向上にも役立つでしょう。
なお、勉強会やセミナーに参加したお客さまは以下の条件がそろっていますので、成約率が高くなる傾向があります。しっかり追客して、関係性を育まれるとよいでしょう。
- 新築やリフォームに興味がある
- 御社に対してよい印象を持っている
- 商圏内に住んでいる可能性が高い
講座は、多くの人がつまずくポイントをテーマにするとよいでしょう。たとえば、こんな講座は人気があります。
- 土地の探し方と注意点
- 家づくりの流れ・リフォームの流れ
- 資金計画や諸費用の話
- 建築会社・リフォーム会社の選び方
- 省エネ住宅・省エネ基準とは
ワークショップとは、参加体験型講座のことです。たとえば、DIYやインテリアコーディネートなどの実践講座は、ワークショップの定番ですね。
ワークショップを通じて有益で楽しい体験を提供することで、工務店のブランドイメージを高められます。ただし、強引な売り込みは控え、顧客の悩みや要望に寄り添う必要があります。売り込みの場ではなく、信頼構築の場とお考えください。
見学会
見学会は、集客に有効なイベントです。とりわけモデルハウスを持たない工務店やリフォーム会社にとって、必須のイベントと言っていいでしょう。
お客さまは、工務店やリフォーム会社の施工品質やデザイン性、住み心地などを確認したいと思っています。見学会は、それを直接的に見せられる絶好の機会です。
口コミ・紹介
売り手からの直接の情報よりも、利害関係のない第三者が発信する情報のほうが「信頼性が高い」と感じる心理的傾向のことを「ウィンザー効果」と言います。
つまりお客さまは、御社から直接聞いたことより、お施主さま等から発信された口コミや紹介のほうを信頼しやすいということです。ですから、口コミや紹介も重要な集客経路と捉え、できる限りコントロールするべきです。
よい口コミや紹介を増やすためには、お施主さまのアフターフォローをしっかりおこなわねばなりません。また、お施主さまに口コミや紹介をお願いすることも必要でしょう。
Web広告
検索エンジンやSNS、第三者のWebサイトなどに掲載する広告を「Web広告」と言います。Web広告を利用すると、自社のサービスや商品を広く知ってもらうことができます。
昨今、ほとんどの方がスマホで情報収集します。ですから、お客さまが工務店やリフォーム会社を探す際、Web広告が最初の接点になる可能性が高いと言えます。
広告については、以下の記事でも解説しています。もっと詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
》【小さな工務店の集客方法】受注が増える戦略的な広告手法とは?
SNS(FacebookやInstagramなど)
SNSを活用すると、低コストで多くの人にリーチできます。たとえば、FacebookやInstagramなどに自社の情報やコンテンツを投稿することで、そこからホームページへ流入させたり、ファンを増やしたりできます。
SNSアカウントの集客効果を高めたい方は、以下に取り組んでいただくとよいでしょう。
- ターゲット顧客に合わせて適切な媒体を選ぶ
- 頻繁に魅力的なコンテンツを投稿する
- フォロワーとコミュニケーションを取る
- 他のサイトやSNSと連携する
工務店やリフォーム会社とSNSは、とても相性がいいです。さまざまなSNSを試してみて、御社のリソースや顧客層に合うものに絞り込んでください。
SEO対策・MEO対策
自社のホームページのコンテンツを検索エンジンのアルゴリズムに合わせて最適化することを「SEO対策」と言います。SEO対策をおこなうと、検索結果の上位に表示されやすくなります。
上位に表示されたコンテンツは、たくさんの読者を運んできてくれます。読者が増えれば、自社の商品やサービスに注目してもらう機会が増えます。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
》工務店・リフォーム会社必見!SEO対策とは?ホームページ集客の流れ
一方、Googleマップなどの地図サービスに自社の店舗情報を登録して最適化することを「MEO対策」と言います。MEO対策をおこなうと、地図検索の結果の上位に表示されやすくなります。
地図で御社が上位に表示されると、工務店やリフォーム会社を探している人に強くアピールできます。地名を含むローカル検索からも、流入数アップが期待できます。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
》リフォーム会社のような地域密着ビジネスはMEO対策は必須です!
【まとめ】工務店やリフォーム会社が売上をアップする方法
売上を増やすには、契約数を増やす必要があります。そして、契約数を増やすには、プランや見積書の作成数を増やす必要があります。
とは言え、お客さまは突然の思いつきでプランや見積書の作成を依頼してくるわけではありません。長い時間をかけて「どんな家にしようかな?」「どこの会社に依頼しようかな?」と下調べをしてからお問い合わせされているのです。
ですから、お客さまの検討段階で御社が何度も何度も接触できると他社より有利になります。では、どうすれば検討段階で何度も接触できるのでしょうか。
おすすめしたいのが、ホームページを使った集客手法です。弊社では、このホームページ集客の代行をおこなっています。ご興味がある方は、こちらをご覧ください。
》集客にお困りのリフォーム会社・工務店・塗装会社の経営者さまへ