アフターコロナの時代のリフォーム業界に求められる取り組みとは?
リフォーム会社を営む経営者さま。こんなお悩みはないでしょうか。
- 「コロナ禍が収束したけど、客足が戻らない」
- 「チラシやイベントの集客力が鈍ってきて、あまり人が集まらなくなった」
このようなお悩みは、コロナ禍による市場の変化を把握することで解消します。コロナ禍前後でどう変わったのか、そして、今なにが課題なのかを把握することで、適切な手を打てますよ。
本稿では、コロナ禍によるリフォーム業界の変化や課題、これから注力すべきことをご紹介します。集客でお悩みのリフォーム会社の経営者さまは、ぜひ最後までご覧ください。
コロナ禍で、リフォーム業界はどう変わったのか
さっそく、コロナ禍を経てリフォーム業界がどう変わったのか見ていきましょう。これまでの流れや現状を整理して把握することで、次の打ち手が見えてくるでしょう。
主な変化を、ふたつご紹介します。
在宅時間の増加やリモートワークの長期化によるリフォーム需要が増えた
お客さま側から見ると、コロナ禍はどのような変化をもたらしたのでしょうか。
これまでの家は、仕事や学校モードから切り替えて、リラックスして過ごす場所でした。しかし、コロナ禍以降は在宅勤務やオンライン授業が増え、家は「仕事や勉強をする場所」を兼ねるようになりました。
そうなると、こんな問題が発生しました。
- 自宅では仕事や授業に集中できないし、Zoomもしづらい
- 日中の在宅時間が増加して、家の不備が気になり出す
これまでの「リラックス重視の住宅」は、テレワークには不適切だったのです。真夏や真冬に長時間過ごすには、断熱性能が足りていないことにも気づかされました。
その結果、テレワーク対応や断熱リフォームが増えたのです。
また「職住近接」重視から「広さ」重視へのニーズの変化が見られました。衛生面に配慮するお客さまも増えましたので、換気設備の更新リフォームや、非接触型機器への変更リフォームも増えました。
対面で会いづらくなったため、非対面サービスの導入が進んだ
では、リフォーム事業者から見ると、コロナ禍はどのような変化をもたらしたのでしょうか。
もっとも大きな変化は、対面で合いづらくなったことでしょう。感染が心配で、対面での対応を敬遠するお客さまが増えました。
社員も出社しづらい状況が発生しました。本人や家族が感染して自宅待機になったり、濃厚接触者に指定され外出自粛要請を受けたりしました。
このような流れの中で、いや応なしに非対面型のサービスを導入したリフォーム会社が少なくありませんでした。御社でも、このようなサービスを導入されたのではないでしょうか。
- Web見学会
- Web相談会
- オンライン・セミナー
- ビデオ会議システム
- オンライン・コミュニケーション・ツール
- Webマガジンやブログによる情報提供
コロナの収束に合わせて、一部のサービスは対面での提供に戻りつつあります。しかし、一部はオンライン化されたまま残り、そのまま定着しそうな気配です。
ウイズコロナからアフターコロナへ!リフォーム業界の課題とは
コロナ禍を境にさまざまな変化が起こりました。では、コロナ禍前後でリフォーム事業者の景況感はどのように変化したのでしょうか。
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が発表した『2022年度 住宅リフォームに関する事業者実態調査 結果報告書』によると、事業者の実感は以下のようになっています。
- 良くなった:15%
- 悪くなった:33%
- 変わらない:52%
「良くなった」と回答したのは約15%でした。どうやら、多くのリフォーム会社には解決しなければならない課題がありそうです。
では、どのような課題があり、苦労されているのでしょうか。いくつか、代表的な課題をあげてみましょう。
建材価格が高止まりしている
コロナ禍をきっかけに、ウッドショックが発生したことは記憶に新しいでしょう。輸入木材が手に入らず、以下のような問題に直面して大きな混乱が生じました。
- 木材価格が高騰した
- 輸入材だけでなく国産材も手に入らず、着工が遅れた
また、木材大国ロシアのウクライナ侵攻で、ウッドショックに拍車がかかるのではないかと不安が再燃しました。しかし、今のところ木材は切迫するほどの供給不足に陥っていません。
一方、ロシアショックの影響は、木材以外のところで顕在化しています。例をあげてみましょう。
- 生コンクリートの価格が上昇
- 壁紙や塩ビタイル、カーペットタイルの価格が上昇
- 住設や半導体を使った機器の価格が上昇
上述の価格上昇は、ロシア由来の原材料価格が上がったことや、生成で必要なエネルギー価格が上がったことが原因です。高騰した木材価格も高止まりしていて、コロナ禍前の水準に戻るかどうか不透明です。
さらに、国際的な投資マネーの流入で、東京を中心に新築マンション価格が高騰しています。それが、新築戸建て住宅や中古住宅の価格へ波及する形になっています。
今後は、省エネ基準適合の義務化により、建材コストが上昇するでしょう。近年類を見ないほどの住宅価格上昇は、しばらく止まりそうにありません。
人手不足が深刻になり、労務費が上がっている
コロナ禍前から、建設・建築業界の職人は以下のような課題を抱えていました。
- 休日日数が少ない
- 労働時間が長い
- 高齢者の割合が高い
- 高齢者の大量離職
- 人手不足
建設・建築業界の職人は、他の産業に比べて高齢者の割合が高く、人手不足が深刻です。若者の求職者が少ないまま、高齢者の大量離職時代を迎えているのです。
このまま就業者数の減少が急ピッチで続けば、人材を確保するために継続的な賃上げが不可欠になります。人手不足で工期が長引けば、仮設費等の増加にもつながるでしょう。
もしも、御社が「外注の職人を押さえるのが難しくなってきている」と感じておられるなら、仕事の合理化が待ったなしの状況とお考えください。
チラシやイベントによる集客が難しくなった
これまで、商品やサービスの魅力を伝える主な手段はチラシやイベントでした。このふたつに注力していたリフォーム会社が少なくなかったでしょう。
しかし、コロナ禍を経てチラシの反響が落ちてきています。以前ほど、イベントに人が来なくなりました。―― なぜでしょうか?
お気づきのとおり、その主な理由は以下のふたつでしょう。
- 人々が外出を控える傾向が強まった
- 幅広い世代で、消費行動のデジタルシフトが起きた
コロナ禍で外出を控える方が増え、リフォーム業界ではさまざまなオンライン・イベントが開発されました。その効果もあって、リアルなイベントは集客力を下げています。
また、チラシのような売り手から発信された情報は、昨今では敬遠される傾向があります。インターネット上の情報コンテンツが充実しているので、お客さまは購入前にインターネットで情報を調べ、比較検討する傾向が強くなっているのです。
情報収集は、スマホさえあれば簡単にできます。動画や文字情報、音声、VR(バーチャルリアリティ)など、さまざまな形のものがインターネット上にあふれかえっています。
アフターコロナのリフォーム業界に求められる取り組みとは
リフォーム業界を取り巻く変化や課題をご紹介しました。では、それを踏まえて、リフォーム業界はこれからどのような取り組みに注力すればいいのでしょうか?
アフターコロナのリフォーム業界に求められる取り組みをご紹介しましょう。
集客から商談までのプロセスをデジタル化する
先述のとおり、コロナ禍では対面での商談がしづらい状況になりました。集客や営業、打ち合わせがままならなくなり、手探りでデジタルに置き換えた会社が多いでしょう。
しかし、オンラインの会話は、微妙にタイムラグがあったり伝わりにくかったりします。建材のサンプルなんかも確認していただきづらく「提案やお打ち合わせは、オンラインと相性が悪いな」と感じられたのではないでしょうか。
アフターコロナでは、人々の消費行動がどこまで変わるのか、あるいはどこまで元に戻るのか、まだ分かりません。しかし、取り急ぎデジタルが「得意なこと」と「不得意なこと」を見極め、得意なことのデジタル化を進めることが大切です。
たとえば、集客から商談まではデジタルによって代替可能であり、しかも効率的ではないでしょうか。デジタルなら、こんなことが可能です。
- 24時間365日対応できる
- すぐに商談化しないような潜在的なお客さまも対応できる
- 発信したコンテンツを、お客さまのペースで気軽に見てもらえる
一方、プラン等の込み入った提案やお打ち合わせは、人間のほうがうまいでしょう。ですから、途中でうまくデジタルから人にバトンタッチする必要があります。
消費者の情報源は、インターネットがダントツで多くなっています。お客さまは「お問い合わせ」をする前にインターネットで情報収集を完了していて、ある程度は候補の業者の絞り込みもおこなっているのです。
ですから、集客部分をデジタル化しておくことがとても大切です。お客さまが情報収集されている段階で接触を図っておかないと、リフォーム会社選びに進まれた段階で候補にあげてもらえません。
参考:2020年度 住宅リフォームに関する消費者実態調査 結果報告書
ムダの多い非効率な働き方をデジタルで改善する
建築コストは、以下のふたつに大別できます。
- 工事に使用する建材の材料費
- 作業をおこなう職人の労務費(人件費)
ウッドショックやロシアショックで、材料費はどうにもならない部分が大きいでしょう。まだ、労務費のほうがコントロールしやすいのではないでしょうか。
労務費の圧縮には、業務の効率化が欠かせません。とりわけ、今後はデジタルを使った効率化を進めることが求められます。
たとえば、以下のようなICT(情報通信技術)を使った業務の効率化が進み、徐々に電話やFAXから置き換わっていくでしょう。ICTの導入が進めば、手待ちの減少やムダな拘束時間の削減につながります。
- 図面や工程をスマホやタブレットで共有する
- 現場の入退場や作業報告をオンラインでおこなう
- コミュニケーションをチャット等でおこなう
また、リフォーム契約書の電子化も進んでいくでしょう。なぜなら、印紙税の軽減につながるだけでなく、リフォーム履歴の閲覧が容易になり、管理や売買の際に重宝するからです。
今後、中古住宅の流通が増えていくのなら、契約書や設計図書、リフォーム履歴の電子化は必須です。
人材育成も重要です。とりわけ、多能工(マルチクラフター)の育成は、人手不足の突破口になるかもしれません。多能工には、以下のようなメリットがあります。
- ひとりでできる仕事が増える
- 覚える職種によって繁忙期と閑散期を平準化できる
- 年間の人工数を増やすことにつながる
一方、このような効率化は、年齢層の高い職人の抵抗も予想されます。習得すればラクになる等の強烈なメリットを示すことが大切です。
リフォーム業界はWeb集客を活用しよう
繰り返しになりますが、今後リフォーム業界ではWeb集客の重要性が高まっていきます。今や、お客さまの情報源は「インターネット」がダントツで多いのです。
御社がまだWeb集客に注力されていないのであれば、ぜひ優先順位を上げてみてください。Web集客のポイントを3つご紹介します。
自社メディアからの集客数を増やそう
お客さまは、大ざっぱに言うと以下の3ステップで、依頼するリフォーム会社を選びます。
- 悩みや課題を解決するためにインターネットで情報収集
- インターネットで複数社の候補をみつけ出し、比較検討
- リフォームを依頼するために、1社に絞り込む
では、リフォーム業者はどこでお客さまとつながればいいでしょうか?―― 正解は(1)です。
お客さまに親近感や好感を持ってもらうには、何度もお客さまと接触する必要があります。お客さまに自社を選んでもらおうと思うと、(2)で接触したのでは遅いのです。
では、どうやって何度も接触すればいいのでしょうか?―― たとえば、以下の方法で何度も接触を図ることができます。
- ブログで情報発信する
- SNSでコミュニケーションを図る
- オンライン・セミナーを視聴してもらう
ただし、やみくもに情報を発信したりSNSを運用したりしても、集客につながりません。オンライン・セミナーの視聴者も増えないでしょう。
オンラインで発信したコンテンツをお客さまに見つけていただくには、対策が欠かせません。たとえば、ブログで情報を発信するのであれば、SEO対策を実施して検索エンジンで見つけてもらいやすくする必要があります。
動画やVRコンテンツを活用しよう
コロナ禍で家にいる時間が長くなり、YouTubeの視聴者が急増しました。今や動画は非常に力のある「集客に有用なツール」になっています。
動画情報には、以下のような特徴があります。
- 文字情報では伝えにくいことを伝えられる
- 会社の強みを分かりやすく伝えられる
- 発信者の人となりが伝わりやすい
- 顔を覚えてもらえる
YouTubeでは、難解で専門的な情報を分かりやすく伝えているリフォーム会社や、技術力を隠すことなく見せて解説しているリフォーム会社に人気が集まっています。視聴者が発信者から高い専門性を感じ取り、信頼につながっているのでしょう。
YouTubeでは、発信者が基本的に「顔出し」で発信していることから、安心感も醸成されています。おそらく、人気のチャンネルを持つリフォーム会社は、YouTubeから多くの受注を獲得しているのではないでしょうか。
2023年以降、生成系AIを活用した動画編集の普及が進んでいます。今後は動画作成や投稿のハードルが急激に下がるでしょう。動画コンテンツを活用するリフォーム会社が、さらに増えるかもしれません。
「動画、苦手だなあ」と感じている方も、SNSのショート動画やホームビデオの作成から練習を始めてみてはいかがでしょうか。
集客数だけでなく、契約率を上げよう
Webを使ってやみくもに集客しても、契約数は増えません。たとえば、リフォーム会社が「新築を建てたいお客さま」を集めても、契約につながらないですよね。
ですから、ちゃんとターゲットを決めて、自社のメディアに呼び込む必要があります。大まかな手順は、以下のとおりです。
- 自社の顧客になりそうな方の悩みや課題を調査する
- その悩みや課題を解決できるコンテンツを発信する
- SEO対策等を実施して、ユーザーに見つけてもらいやすくする
Web集客では、発信したいことを発信するのではなく、お客さまが知りたいことを発信する姿勢が大切です。しっかりと上述のステップを踏んで、Web集客を成功させてください。
【まとめ】アフターコロナの集客はWebマーケティングに注力しよう
コロナ禍を境に、デジタルシフトが加速しました。お客さまの購買行動やリフォーム会社の集客手法が、一気にデジタル化しています。
この激変の中で、うまく適応して売上を伸ばした会社と、取り残されて売上を落とした会社の格差が広がっています。取り残された会社は、人手不足の折、職人を押さえることもままならなくなっていくでしょう。
「今こそ我が社もデジタル化に注力すべきだ」と決意された経営者さまは、ぜひWebを活用したコンテンツマーケティングに取り組んでみてください。そうすれば、アフターコロナの時代でも売上を伸ばしていけるでしょう。
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