アンカリング効果とは?リフォーム業にも効果ある?
アンカリング効果とは?心理学で用いられている用語で、行動経済学における認知バイアスの一種としても知られています。
具体的には、最初の数字がアンカーとして与えられると、人はそれを基準にその後の判断や行動が無意識のうちに影響を受ける効果を意味します。
アンカリング効果の由来は、錨を意味するアンカーを下ろした船が動けなくなることにあります。
つまり、アンカリング効果とは?人の判断だったり行動を制限する錨で、これを応用すればマーケティングに活用できるわけです。
勿論、リフォーム業界においてもマーケティングに使える可能性がありますし、上手く活用すれば売上の増加を目指すのも夢ではなくなります。
アンカリング効果の鍵を握るのは数字で、最初にどういった数字を提示するかが効果を左右します。
例えば割引を意味する50%OFFや通常価格の7割引などの表示がそれで、数字が大きいほど人はお得に感じます。
ただ、このケースだと本当にお得かどうかは分かりませんし、元々割引を前提に通常価格が設定されている可能性もあるので、冷静にお得か否かを判断するのは難しいです。
マーケティングではこのように、大きな割引率を提示することによって、元の価格に関係なくお得感の演出が行われています。
リフォーム業界で応用する場合も同様で、複数の条件を提示するといった方法で、売りたい商品を売ることができます。最初にやや乏しい内容で価格の安い商品を提示して、次に高額で内容が充実する商品を提示します。
そして最後に中間に位置する価格の本当に売りたい商品を提示すると、アンカリング効果が発動して人はお得に感じて前向きに購入を検討することになります。
また見積もりを提示する際にも、アンカリング効果を活用することが可能です。
これは見積もり書に値引きの項目を設けて、合計金額と割引された金額を表示するというやり方です。
考えてみれば、リフォームに限らずこのような表示を目にしたことは、誰しも一度はあると思われます。
アンカリング効果は身の回りにあふれていますし、それこそ無意識に接したり影響を受けているわけです。
アンカリング効果を有効化するには、悪い条件を先に提示して次によく見える条件を提示するのが基本となります。
高い定価と大きな割引率の提示がまさにそれで、定価が高くても割引率が大きければ、人は割引後の価格がいくらであってもお得に感じるでしょう。
当然ですが、アンカリング効果の悪用は厳禁ですし、不当表示にあたるとペナルティを受けることになるので注意です。
それとアンカリング効果の影響には個人差があって、非常にお得に感じる人もいれば、冷静な判断力で本当に安いかどうか見抜く人もいます。
見抜ける人にとってあからさまなアンカリング効果はあまり良い印象ではありませんし、むしろアンカリング効果で商品を売ろうとしていると思いかねないです。
アンカリング効果は今すぐ判断が必要な状況において発揮しやすいので、タイムセールのような売り方をすると効果に期待できます。